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SPECIALCROSS TALK

沿線地域の未来創出を語り合う

単なる開発の枠を超え、
沿線地域に新たな価値をもたらす
京急の挑戦。

京急が将来にわたって成長し続けていくためには、
沿線活性化のための「まちづくり」が不可欠である。
地域に根づいた京急だからこそ実現できる
「まちづくり」とは何か。
その答えを追い求めて奮闘している
3人の社員に語ってもらった。

MEMBER

※掲載内容は、インタビュー当時のものです。

N.S

新しい価値共創室
2015年入社
教育学部卒

もともと京急沿線で暮らしており、大好きな地元に貢献できる仕事がしたいと京急に入社。グループ会社での経理、本社での広報業務を経験した後、三浦半島の地域活性化を担う部署に異動し、「三浦newcal」に関わる。

K.O

新しい価値共創室
2019年入社
国際総合科学部卒

小さい頃から「まちづくり」に興味関心があり、また、大学時代に所属していた三浦半島を研究するサークルでフィールドワークを重ねていたこともあって京急を志望。入社後は沿線住宅地の活性化施策を担う。

Y.S

生活事業創造本部 開発事業部
2021年入社
社会・国際学部卒

人口減少で地域が衰退していく時代のなかでも、そこに暮らす人びとが「やっぱり地元が好きだ」と思ってもらえるような「まちづくり」がしたいと京急を志望。入社後は、鉄道の高架下や駅構内、駅周辺の開発を担当。

1「エリアマネジメント」が、
これからのキーワード。

みなさんはそれぞれ沿線の活性化に取り組んでいます。どんなアプローチで地域を盛り上げようとしているのですか。

N.S

私が関わっているのは、京急グループと縁の深い三浦半島です。このエリアを盛り上げていくのは当社の将来にもつながる重要なテーマですが、2024年にこれまでの方針を転換して「三浦newcal」という新たなエリアマネジメント(※)活動を展開しており、私はその推進役を担っています。
(※)エリアマネジメント:特定のエリアを単位に、民間が主体となってまちづくりや地域経営を行う取り組み

K.O

彼女が三浦半島のなかでもレジャー・リゾートエリアを盛り上げているのに対して、私は横浜市内の沿線住宅街の活性化に取り組んでいます。なかでも私が担当しているのは、横浜市金沢区。富岡・能見台地区と金沢文庫駅・金沢八景駅間の金沢区心部という2エリアを重点地区として活動しています。特に、富岡・能見台地区は、当社が古くから郊外住宅地として開発してきた地域で、地域や行政、地元企業、学校と連携した新たなまちづくりに携わっています。

Y.S

私はお二人と違って、沿線上にある当社の不動産を活用した施設の開発を手がけています。最近担当したのは、鉄道の高架下に設けた「梅森プラットフォーム」。これは単なるハードの開発ではなく、地域が抱える課題の解決にも貢献できる取り組みだと思っています。

三者三様のスタンスで地域活性化を図っていますが、どんな社会課題が背景にあるのでしょうか。

N.S

いま日本では地方創生が叫ばれています。三浦半島は都心から1時間圏内にあり、豊かな自然や美味しい食が魅力のリゾート地で、エリアが持っている経済のポテンシャルはとても大きい。しかし、アクセスしやすいがゆえに日帰りの観光客が多く、滞在時間が短いことがネックになっていました。これまで京急は、観光需要を盛り上げるためにホテルや水族館などのレジャー施設を自社で開発運営してきましたが、京急一社でできることは限界がある。三浦半島には魅力的なサービスやコンテンツを持つ事業者がたくさんいらっしゃり、京急がハブとなってそうした事業者同士、あるいは新たなビジネスチャンスをうかがう大手企業とマッチングできれば、このエリアに新しい価値が生まれ、もっと多くのお客さまを惹きつけられる。そんな考えのもと、エリアマネジメントに注力する方向に大きくシフトチェンジし、行政も巻き込んで推し進めているのが「三浦newcal」です。

K.O

私が関わる富岡・能見台地区が直面しているのは、生産年齢人口の減少と高齢化。ここは京急が昭和30年代から宅地を開発分譲してきたエリアで、分譲住宅地の性質として同世代が同時期に入居するため、まちが一気に高齢化を迎えるおそれがある地域です。若い世代の転入を促すとともに、高齢になっても住みやすいまちづくりを進めていく必要があります。そこで、地域住民と行政、地元企業、学校などこの地域に関わるステークホルダーと協働でエリアマネジメントを行い、富岡・能見台地区を持続可能なまちにしていくために、「おかまち」と名付けた産学官民連携プロジェクトを立ち上げて進めています。

Y.S

高齢化と言えば、私が開発を手がけた「梅森プラットフォーム」も同様の問題に向き合っています。この施設がある大田区は町工場が集積しているエリアで、「ものづくり」の街として発展を遂げてきました。しかし近年は、経営者・従業員ともに高齢化が進み、後継者不足が課題となっています。また、都市再開発などで工場移転を余儀なくされる事業者の方々もたくさんいらっしゃる。「梅森プラットフォーム」はそうした町工場の新たな受け皿になり、さらに気鋭のクリエイターを誘致して協働することで、地域の「ものづくり」を継承してその可能性を最大化していこうというチャレンジです。お二方の取り組みと同じように、これもエリアマネジメントだと捉えています。

KEYWORDS

「三浦newcal」とは

三浦半島において、京急が行政・企業・大学・地元をつなげる「コミュニケーションハブ」としての役割を担い、地元やさまざまな事業者と連携し、エリアの活性化を図る取り組み。さらに、三浦半島を訪れる旅行者の「遊ぶ」「体験する」「移動する」を便利にする観光型MaaSを「三浦newcal」のブランドで開発提供し、地域の魅力を高めている。2024年3月からは「newcalプロジェクト」として地域と共創するエリアマネジメントを沿線全体へと拡大中。

「おかまち」とは

正式名称は「みんなの富岡・能見台 丘と緑のまちづくり」。2018年に締結した京急電鉄と横浜市の連携協定に基づいた、富岡・能見台地区を持続可能なまちにするためのプロジェクト。地域住民がまちの未来を考えるワークショップなどのイベント開催や、空き家問題などの地域課題解決、まちの魅力・情報発信、さらに地区内における新たな交通システムの実証実験などを行っている。

「梅森プラットフォーム」とは

京急線の大森町駅~梅屋敷駅間の高架下に開発した「ものづくり複合施設」。大田区の特徴でもある高度なものづくりの技術を持つ「まちこうば」と、近年地域に流入しているクリエイターを一つの拠点に集積し、産業活性化、地域活性化、地域課題の解決などに寄与するプラットフォームを目指して2019年4月に第一ユニットが開業。現在も継続して運営・開発を行っている。

2地域を巻き込み、
新たな動きを生む醍醐味。

みなさんがいま力を入れていることは何ですか。どんな瞬間にやりがいを感じていますか。

N.S

「三浦newcal」では、この取り組みに賛同してくださる地元の事業者さんやサポート企業さんで結成する「newcalファミリー」という組織を設けています。私はこのnewcalファミリーの強化・拡充を主に担っており、週の半分は三浦半島に赴いて新たな事業者さんを開拓したり、あるいはファミリーに参加している事業者さんと意見交換しながら、地域の魅力を高める仕掛けを考えています。newcalファミリーは、2020年の発足時は60団体ほどでしたが、現在は約350に及ぶ団体に参加いただいています。

K.O

「三浦newcal」は事業者がメインとなるエリアマネジメントですが、「おかまち」は地域に住む方々も含めたステークホルダーが主役となるプロジェクト。ですから、富岡・能見台に暮らす方々に、いかに自分の住む地域に関心を持っていただくかが重要です。私も頻繁に現地に足を運び、住民の方々と対話をし、地道に関係性を構築しています。ワークショップやミーティングなども定期的に開催し、住民のみなさんに「将来、どんなまちにしたいか」を考えてもらう機会を設けて、思いを活動につなげているところです。

Y.S

私が関わった「梅森プラットフォーム」はすでに稼働していますが、当初描いていたビジョンが実現できているかといえば、なかなか難しいのが実情。一般的な飲食店舗が新しく商業施設に出店するケースとは違い、工場の方々の場合は創業してから数度あるかないかのお引っ越しとなります。移転して新しい環境に慣れることだけでも相当苦労されているうえ、地域の製造業と外部クリエイターとのコラボレーションも想定よりも苦戦しているのが現状です。改善すべき点を検討しつつ、この取り組みをもっと促進していこうといま奮闘しています。

N.S

私もなかなか一筋縄ではいかずに苦労することがありますが、それでも何か成果が出るとうれしいですね。例えば、京急電鉄の人気商品「みさきまぐろきっぷ」をはじめとするおトクなきっぷを扱う鉄道部門と協働し、きっぷのデジタル化も実現しました。newcalファミリーの事業者の方々のサービスもプラスで利用できるよう画策して、SUP体験や陶芸体験などを新たなアクティビティとして追加。これが想定以上に好評で、事業者さんにも「お客さまが一気に増えた」とたいへん喜んでいただけています。さらに、三浦半島でこうしたユニークな体験ができることが世間に広まれば、宿泊ニーズも高まり、滞在時間を延ばすことにもつながっていくはずです。

K.O

地域の住民の方々の思いが実際の活動につながるのを目の当たりすると、やはりうれしいですね。ワークショップをきっかけに、DIYのイベントを定期開催する方々、まちの魅力を集めて共有したいという思いでフォトコンテストを開催する方々――、いろいろな活動がまちに新たに生まれています。こうして地域のみなさんと一緒にアクションに起こしていく場面に触れた時は、「私の仕事がこのまちに影響を与えているんだ」と感じてモチベーションが一層高まります。

Y.S

沿線の開発業務を手がけていると、京急は地域に根づいて信頼されているのを実感します。「梅森プラットフォーム」にしても、地域の方々からの注目度や期待値は高い。それにしっかりと応えていくことに、私はとてもやりがいを覚えています。

3社会課題を解決し、
持続可能な「まちづくり」を。

それぞれの「まちづくり」において、みなさんがこれからチャレンジしたいことは何ですか。

N.S

三浦半島はまだまだ大きな可能性を秘めたエリアだと思っています。特にコロナ禍で働き方が変わり、都心から近い三浦半島はワーケーションの拠点としての魅力も高まっています。一方で、人口減に伴う空き家問題がいま全国で注目されており、三浦半島も例外ではありません。その問題解決につながる施策として、都市に住む方々の二拠点生活のベースとして、空き家をサブスクリプションで利用できるようなサービスも考えられる。関係する地域の事業者さんと連携し、こうした仕組みを実現して三浦半島の新たな価値を発信していきたいですね。

K.O

2021年のことですが、富岡・能見台地区を抱える横浜市金沢区が、神奈川県内の住み心地のいい街ランキングでトップ10に入りました。「おかまち」を通して、将来に向けての良い流れができつつあると感じています。反面、地域にはまだまだ議論し、解決していくべき課題がありますし、地域でこの活動に関わってくださる方を増やして、活動を育てていきたいと思っています。まちの将来を継続して検討して活動に起こせる、持続可能なまちづくりの組織をつくっていきたいと考えています。

Y.S

開発後にまちが持続的に発展する仕組みをつくることが重要だと私も考えています。「梅森プラットフォーム」の開発を経験して、例えばお金の流れをどうつくるのか、誰がそうした発展を推進していくのか、などのスキームをつくる必要があると強く感じました。この気づきを今後、社内の他部署とも連携して、次の開発に生かしていければと思っています。

N.S

いま三浦半島のエリアマネジメントに携わって感じるのは、やはり京急だからこそ果たせる「まちづくり」があるということ。三浦半島に古くから根づいている京急は、自治体の壁を飛び越えてアクションを起こせる唯一のプレイヤーです。こうしたポジションで力をふるえるのは、当社ならではの醍醐味ですね。

K.O

そう、地域に暮らす住民の方々との距離がとても近く、地域にどっぷりと浸かって「まちづくり」ができる。沿線を抱えている以上、切っても切れない関係に京急はあると思っています。「まちづくり」に携わる立場として、真剣に向き合っていかなければならず、私はそこに仕事の意義を感じています。

Y.S

私もこれから地域が自走できる仕組みをつくりつつ、地域が抱える課題解決の支援ができればと考えています。例えば、自分が開発した施設を通して、中小企業の販路拡大に貢献したり、DX推進のお手伝いをしたりと、沿線の経済に貢献できるようなエリアマネジメントを繰り広げていきたい。まだまだチャレンジできることはたくさんあると思っています。